ストリーミング不正のMichael Smithに禁錮18カ月 bot使った800万ドル規模のスキーム
AI生成楽曲とbotアカウントで著作権使用料を吸い上げたノースカロライナ州の男に、この種の米刑事事件として初の実刑判決。ただし検察の求刑よりは軽い。
ノースカロライナ州コーネリアス在住のMichael Smith(54)が火曜日、AI生成の楽曲をbotアカウントで数十億回再生させていた罪で、連邦刑務所での禁錮18カ月を言い渡された。マンハッタンの連邦地裁でJohn G. Koeltl判事が量刑を言い渡し、双方が合意した損害額である$8,091,843.64の没収も命じた。出所後は2年間の保護観察が付く。Smithは3月、電信詐欺共謀罪1件について有罪を認めていた。
検察と弁護側はいずれも、米国でこの種の刑事訴追は初めてだとしている。量刑は両者の想定からすると短い。検察は連邦量刑ガイドラインの下限である46カ月以上を求刑し、米保護観察局(US Probation Office)の勧告は24カ月だった。Smithの弁護団は実刑なしの保護観察を求めていた。当初の起訴内容は電信詐欺、電信詐欺共謀、マネーロンダリング共謀で、いずれも最長20年の刑が科されうるものだった。
スキームの手口
検察によると、Smithは2017年から2024年にかけて、Spotify、Apple Music、Amazon Music、YouTube Music上に数千の偽アカウントを運用していた。再生させていたのは数十万曲のAI生成楽曲だ。裁判で示された比較がある。2023年4月、Taylor Swiftの全カタログがYouTube Musicでファミリープラン経由で得た再生数は930万回。同じ月、ファミリープランを使ったSmithのbotは、自作トラックを8,090万回再生していた。
Smithは、欲を出しすぎれば目立つというリスクを承知していた。検察が引用した2018年のメールで、彼はこう書いている。「上の連中に目をつけられないよう、少ない再生数のコンテンツを大量(TON)に用意する必要がある」。自分宛てに送った初期のモデルでは、1,040のbotアカウントが1日あたり約661,440回の再生を生み出す設計だった。検察の言う「数十万曲」に沿う30万曲のカタログに分散させれば、1曲あたり1日およそ2回。誰も気に留めない程度の痕跡だ。検察によれば、多い時期には最大10,000アカウントを運用していたという。
政府側は、Smithが著作権使用料を支払う事業者から1,400万ドル超を得たとしている。合意された損害額がそれより低いのは、彼の楽曲の正当な再生から生じた使用料の推計額と、botに使うアカウントの購入を通じて分配プールに払い戻した金額を差し引いているためだ。
被害は他のアーティスト全員に及ぶ
弁護側は、どのアーティストやソングライターにも目立った損失は生じておらず、800万ドルは「Smith氏が実際に『懐に入れた』額をはるかに上回る」と主張している。だが分配の仕組みを考えると、この主張は成り立ちにくい。Spotifyのようなサービスは、1再生あたり固定額を支払っているわけではない。権利者への支払いは、サービスの収益に連動するプールから、その期間の全ストリームに占める各トラックの割合に応じて分配される。偽のストリームが1つ増えるたび、他の全員の取り分は小さくなる。Music Fights Fraud Allianceは裁判所に対し、不正な再生の1つ1つが「同じ会計期間に発生したあらゆる正当な再生の価値を薄めた」と述べた。
自作トラックやエディット、あるいはブートレグから正式リリースに至った作品を出しているなら、あなたも同じプールから支払いを受けている。その取り分は小さいため、希薄化はステートメントを見ても気づけない類のものだ。
プラットフォーム側もルールを変えている。Spotifyは2024年4月以降、過去12カ月で1,000再生以上のトラックにのみ原盤使用料を支払っており、トラックごとに一定数以上のユニークリスナーも求めている。Smithの初期モデルでは、全プラットフォーム合計で各トラックの年間平均再生数は約805回となり、この基準を下回る。アカウントが10,000なら、平均は基準を超える。Spotifyは2024年にMBWに対し、同社の予防措置によって、当時主張されていた1,000万ドルのうち、同プラットフォームでのSmithの収益は約60,000ドルにとどまったと説明した。出版使用料には、現時点でどちらの要件も適用されていない。2023年にSmithへの支払いを止めたThe MLCが担うのは、こちら側だ。
この事件が示すこと、示さないこと
Smithの弁護側は、音楽業界の弁護士から、最悪でも民事上のペナルティで済むと言われていた、という点に頼ってきた。検察はこれに疑問を呈しており、同じ弁護士が2023年3月にThe MLCへメールを送り、どの作品もコンピューター生成ではないと主張していたとみている。弁護側はまた、2025年9月のSpotifyの声明も引用する。使用料の算定上「すべての音楽は、制作に使われたツールにかかわらず平等に扱われる」というもので、AIで楽曲を作りストリーミングプラットフォームに載せること自体は本質的に違法ではないと主張している。
押さえておくべきはこの線引きだ。ここで罪に問われたのはbotと偽アカウントであり、AIではない。連邦検事のJamie McDonaldは、Smithが「超知能テクノロジーを悪用して詐欺を生み出した」と、逆の枠組みで語ったが、起訴されたのは電信詐欺共謀だった。
量刑の面では、より小規模な事件ながらデンマークが先行している。botで689トラックの再生数を水増しした男は、2024年3月に禁錮18カ月(うち3カ月を実刑)の判決を受けた。控訴裁は2025年2月にこれを24カ月(同じく3カ月を実刑)に引き上げている。
IFPIは、取り締まりは対策の一部にすぎないとし、予防と検知については自らのStreaming Integrity Initiativeを挙げる。MFFAのMichael Lewanは、「継続的で実効性のある抑止」が必要だと述べた。検察の誰が求めたよりも短い禁錮18カ月は、出発点にはなっても、それだけで抑止力にはならない。